輝け未来
“ムサビ”とは武蔵野美術大学の略称だそう。
本書は、その「ムサビ」の学生専用ブログに綴られた日記を収録したもの。
学生時代っていいよね、と昔の自分を思い出してしまうこと請け合いです。
大学の四年間というのは、考えてみれば不思議な時間だ。
人生において、あれほど無際限の自由と可能性を与えられ、尚且つ生活と身分を保障されている時間なんて他にないだろう。
そして、その自由をどう使うか、活かすか殺すか、すべては自分次第。
この上なくシビアに“自分自身”を試される場であり、この上なく純粋に――利害とか世間とか関係なく、自分自身について考えられる時間だったと、今になって思う。
収録された日記の書き手は20人以上に及び、各エントリ数や長さなどはばらばら。
語り口は概ね今時の若者なのだが、書かれていることは真面目そのものです。
創作者として、自分自身と逃げず向き合っている彼らの姿は、強すぎる自負心をも含め（芸術家なら当然？）、眩しいくらい。
目標に向かって頑張っている若者はいいなあ…と、自分まで原点に立ち返ったような、清々しい気持ちになる。
自負心といえば、多くの学生が愛学心を語る中、一人わりと醒めた視点から「ムサビ」を見ている学生がいて、その冷静な語り口が印象に残った。
いろんな視点があっていいというか、そういう視点のあることに少しほっとしたのも事実かな。
その他、最近の就活の様子（殺気が充満してそうでコワイ）なども強烈だったのだけど、一番印象的だったのはやはり美大ならではの面白エピソード。
特に、毎年必ず伝説が生れるという入試がすごすぎる！
着ぐるみ着てきた受験生とか、超リアルな性器を作り上げた女の子とか、見学できるものなら是非にもな光景がずらり。
面白すぎます、美大入試。
ちなみに藝大の一次試験は国技館で行われるそうで、それもすごいよね。
Comments
おおっ、ムサビ！！。ハチクロの舞台になってるのもここですよね。
高校時代の部活の先輩がムサビだった関係で、一度学園祭に行ったことがあるのですが、
いや〜すごかったです！
個性の百花繚乱というのでしょうか、圧倒されました。
私が知っているムサビ出身の有名人も、吉田秋生、くらもちふさこ、西原理恵子、リリー・フランキー、
あ、あとスピッツの草野さんもですね、という個性的な顔ぶれ。
他には誰がいるのかな？と興味が湧いてWikiってみたらば、柴田亜美、辛酸なめこ、みうらじゅん、
水木しげる、バロン吉元、、赤瀬川原平、島田荘司、村上龍、仲尾彬、ケンタロウ等、
書ききれないくらいのそうそうたる顔ぶれ！スゲー！！
私は高卒なので、二十歳前後という、人生最大の神様からの贈り物（であると思われる）時期、
社会の厳しさの中であがいていました。♪それもまた〜人生〜（ｂｙミソラヒバリ）
「金はあるんだ！どんな四流大学でもいいから行きなさい。」
「なにソレ！ぜって〜行かねぇー！！」
これ、高三の時のオヤジと私の会話です（笑）。
お言葉に甘えて行かせて貰っちゃえばよかったよな〜。♪若かった〜（byアムロナミエ）
あの頃は父も言葉が足りなかったし、私も物知らずで世間知らずのアホなヤンキーだったので、
親の胸の内が分からなかったんですよ。
後に母から聞いたところによると、あの時父はこういうこと↓を伝えたかったらしいです。
>この上なく純粋に----利害とか世間とか関係なく、自分自身について考えられる時間
もうパパンってば素直じゃないんだから…。
きっとももさんは素敵なキャンパスライフを送られていたのでしょうネ。いいな〜。
ムサビの学祭、すごい楽しいみたいですねー！
私も一度覗いてみたいものです（笑）
>柴田亜美、辛酸なめこ、みうらじゅん、水木しげる、バロン吉元、、赤瀬川原平、島田荘司、村上龍、仲尾彬、ケンタロウ等
おお、すごいメンツですねっ！！
（さりげに「ねじねじ」が混じってて受けてしまいましたw）
そうか、この濃さは美大ならではだったんだなあ。
漫画家になってる方が多いのも美大ならではという感じですね。
>社会の厳しさの中であがいていました。♪それもまた〜人生〜（ｂｙミソラヒバリ）
ぬるま湯につかっていた人間には、あえて厳しい世界に出て行く勇気が眩しく見えたものです。
人生、終りよければすべてよし、なんですよね。
>もうパパンってば素直じゃないんだから…。
娘思いのいいお父様ですねえ…ほろり。
しかし、若い頃は親のアドバイスがことごとく鬱陶しく感じられたりするんですよねえ…わかります（笑）
なんかこう、根拠のない全能感があった気がしますよ…
とろこでレイラさん、ヤンキーだったんですか！（笑）