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なつアニを巡る旅

ヒマなので連日更新しちゃいます。

ヒマだとつい、ニコとかYouTubeに入り浸りになっちゃって、結果懐かしの動画を巡る旅に出てしまうことが多い私。
あ、でも最近のもたまには観るんですよ? アニメの「デュラララ」とか。結構面白かった(1話しか観てないけど)。
セリフはリアルにオタクチックだし、池袋の描き込みハンパないし、ピンポイントでオタク層狙ってるよなー。

懐かしの動画巡り、ここ数日は原体験レベルのアニメ観てました。
原体験=幼少のみぎりに観たものということは、今観返すとやっぱくだらなく映るかもなあ…と思ってたんだけど、ところがどっこい、そうでもなかった。
ていうか、今観ても十分愉しめるじゃないですか! さすがジャパニメーション!
昔のアニメって――ドラマや映画にも云えることですが――、まず脚本がしっかりしてるよね。
ちゃんと日本語を勉強した人が書いてるなあ…と、ってなんか当たり前のこと云ってますけど。
でも最近は、この当たり前のことが当たり前でなくなってきてるような気がするんですよね……
って愚痴っぽくなっちゃいましたね、いかんいかん。

で、本題のなつアニ鑑賞記。

■「ジャックと豆の木」

ジャックと豆の木


これ観たのって確か6歳か7歳の頃。我ながらよく憶えてたなあと思う。
(てか、ニコで全部観れることに感動した!)

小学校に入ったばかりの頃、全校集会みたいなので観たんですよね。
なんでこのアニメだったのか、今思うと不思議なチョイスだなあ。
憶えてたのは、豆の木が空に向かって伸びるシーンとお姫様の葱坊主みたいな髪型と、音楽が印象的だったということ。
で、今回観返して思ったんですが、これ、大人が観ても十分面白い。

全篇ミュージカル仕立てで、音楽の作詞が阿久悠、声の出演が市村正親に山本リンダ(!)に西村晃に…となんか錚々たる顔ぶれの力作でしたよ。
音楽と豆の木のシーンは本当にすごい。子供心に強烈な印象残すのも肯けます。
あと、お姫様が薬呑まされて結婚式に出るシーンは、『カリオストロの城』をちょっと思い出した。
もしかして少なからず影響与えてるのかなあ……?

なんにしろ、埋れさせておくのは惜しいアニメだと思いました。

■「まんが世界昔ばなし」より“エミリーの赤い手ぶくろ”

エミリーの赤い手ぶくろ


幼少時のトラウマその1。
これはねえ、もう本当に本当に怖かった!!
あまりに怖かったせいか、最後におじいさんが階段を上がってくるシーンは今に至るまで鮮明に憶えてました。
おじいさんの姿は見えず、声と階段を昇る足音だけが聞こえるのが余計に恐怖を煽るんですよ。
でも、子供だから、恐怖に怯えつつもハッピーエンドを信じて疑わなかったというか、「エミリーはきっと助かる! 早く助けに来てあげて」とか思ってたんですよね……そ・れ・な・の・に……!
ラストはなんと云ったらいいか、実にイギリス民話らしいブラックさでしたわ。

昔は、こういう理不尽な話が結構ふつうにオンエアされてたよね。
そして記憶に残ってるのも、こういう話だという……。
それだけショッキングだったからか、或いは消化不良の記憶が気持ち悪いからか――いろいろ考えてしまうなあ。

■「まんが世界昔ばなし」より“炎のうま”

炎のうま


これは今回ニコで初めて観た作品(動画タイトルに「トラウマ劇場」と入ってて笑った)。
「世界昔ばなし」つながりということで。

えー、「まんが世界昔ばなし」なのに、あろうことかエドガー・アラン・ポーですよ。
ちょ、待てよ!と云いたくなった私。
いやースタッフのチャレンジ精神は素晴らしいと思うんですが、その方向性はどうかと!

あらすじはですね、母親譲りの美貌ながら重度のマザコンという或る若い領主が、死んだ母親よりも美しいものが存在することが許せないために狂気に突っ走り、破滅してゆく、というお話。
まあ、いかにもポーらしい病みっぷりのストーリーなんですが……が! これ、全然「昔ばなし」じゃねえ!
結構エグい描写やセリフもあったりして、今だったら絶対放送出来ないだろうなあ…と当時の社会の懐の広さは羨ましい気もしますが。
それにしても何故スタッフはこれを題材にしようと思ったのか、不可解なり……。
幼少時に観てたらトラウマ確実の問題作ですね(笑)。

■「ラ・セーヌの星」

ラ・セーヌの星


これが放送されてた頃って「ベルばら」ブームじゃなかったっけ?
ブームに乗っかった作品なのかなと思ってたら、「ベルばら」アニメ化の企画がポシャって生れた作品だったそうです。
当時は闘う女の子ってのがまだ珍しくて、シモーヌがめっちゃカッコよく見えたなあ。
や、今観てもカッコよかったですが。

ところで、驚いたことに、監督がかの富野由悠季氏だった!
途中から関わってたらしいですけど、そういえば確かに、最終回が近づくにつれ善悪の境界が曖昧になるという富野由悠季黄金パターンが炸裂してるわ。
まあ革命を背景にしてる時点で善も悪もないですけどね。
しかし、それをきっちりリアルに描いてるのはさすが御大だと思いました。

このアニメ観てたのも相当小さい時で、最終回の記憶くらいしかなかったんだけど、YouTubeに(後半部だけ)上がってるのを観てみたら、憶えていた以上にシビアな内容でびっくりしました。
民衆の残酷さとか、ひとたび権力を握った人間の傲慢さとか、アントワネットの悲哀とか…。
そういうのを逃げずに描いているのがいい。
私が一番鮮明に憶えていたのは、アントワネットが処刑される際に、彼女がかぶっていたナイトキャップを刑吏が「邪魔だ」と乱暴に取り去って投げ捨てるシーン。
投げ捨てられたキャップがゆっくりと落ちてくる画にかぶせてギロチンの刃が落ちる音がする、それがひどく印象的だった。

そういえば、シモーヌはアントワネットの異母妹って設定だったんですよね。
トンデモながらワクワクする設定だったよなあ。
最後は、シモーヌとロベールが、マリー・テレーズとルイ・シャルルを連れてパリを出るところで終るんだけど、私の記憶ではわりとハッピーエンドだったんですよ。
ところが、今観返してみるとそうでもない…。
一応シモーヌたちは無事にパリを出てゆくものの、そこにかぶるナレーションは
「ミランの予言通り、フランス革命はマリー王妃の処刑が発端となって、より多くの人々の血を要求する恐怖政治の時代へ進んで行った。近代への道はまだ遠い。
その後、シモーヌたち若い親子の噂を、パリで聞くことはなかった」
と、なんだか不穏なんですよね。
そして、背景には、フランスの未来を暗示するような、暗い雪景色と木枯しの音。
最後、雲間から射す光にかすかな希望が見えるという、そんなラストで。
これはさすがに子供には理解できなかっただろうなあ……でも、余韻の残るいい終り方だと思いました。

機会があれば、1話から全部観てみたいです(ていうかDVD出して!)。

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