最近観た映画・2013夏

振り返ってみると、8月は3回も映画館へ行ってました(!)
(うち1回はヤマト2199の最終章ですが、これが“終わりよければ…”の逆パターンで……なんかもうトホホとしか云えない)


『パシフィック・リム』Pacific Rim   2013年 アメリカ

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ハリウッドが大真面目に作ったロボットvs.怪獣映画と聞いて、どんなもんよ?と観に行きました。
いやー確かにロボットvs.怪獣でした。ガンダムvs.ゴジラでしたよ。
そして見所はそこに尽きるので――主人公兄弟や博士コンビのやり取りが腐女子的に愉しいだとか、芦田愛菜の泣き演技が鬼気迫るとか、小ネタ的見所はありますが――……まあぶっちゃけ、ロボットとか特撮とかに興味がないと「ふーん」で終ってしまいそうな感じ、かも。
ただ、好きな人はメチャクチャ好きみたいで、wikiなんかハンパない充実度(笑)。
そういえば、この怪獣LOVEのデル・トロ監督って、かの鬱映画『パンズ・ラビリンス』を撮ってたんですね!!
すごい振れ幅だわ〜。


『スター・トレック イントゥ・ダークネス』Star Trek Into Darkness   2013年 アメリカ

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スタトレといえば――長い・地味・マニアック、という先入観(偏見?)があったんですが、去年たまたま観たリメイク映画が王道SFエンタメって感じで面白かったもんで、続篇となる本作は結構楽しみにしてました。
シャーロックの中の人が悪役で出るというのも、勿論楽しみの一つw
バッチさん、悪役似合うよねー。ていうか、役柄によってまったく雰囲気が変わるところが、流石っす!
欧米の役者って、下地としての演技力がしっかりしてる人が多いなあと思うんだけど、それだけ層が厚いんでしょうね……。
物語の方は、ところどころお約束のご都合展開ながらw期待に違わぬエンタメ力発揮してました。面白かったです。
一番印象に残ったのは、たぶん物語のクライマックスであろう、カークとスポックのガラス越しの別れの場面。
最もドラマチック且つ叙情的なシーンがカークとスポックって……もしかして狙ってる…?(狙ってるよね!)


『クラウド アトラス』Cloud Atlas   2012年 独・米・香港・シンガポール

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ベン・ウィショー特集第三弾。
2時間56分という長さにたじろぎながらも、同時進行する6つの物語が程よいタイミングで切り替わるので、なんとか飽きずに観れました。(でも、最後はちょっとダレたかな)
内容は輪廻転生のファンタジー&サスペンス&ラブロマンスで、同じ役者がいろんな時代の恋人同士や互いに因縁ある人物を演じるという趣向です。
そんなわけで、青年が老人を演じるなんてのは勿論、男優が女に化けたり、アジア人が特殊メイクで白人になったり、その逆だったり……「いやこれはさすがに苦しいわ…」というシーンもしばしばw
ベンくんの話を除いて、特に惹かれるものはなかったんだけど、一つの時代から他の時代へ切り替わる際に必ず関連性を持たせる演出は面白かったかな。
例えば、或る人物が危機に陥ったところで時代が切り替わると、切り替わった時代でも同じ役者演ずる別の人物が危機に陥っている、みたいな。
ベン・ウィショーの役は1930年代イギリスのゲイの音楽家で、悲恋話なんですよね。
塔(?)の上で煙草吸いながら夕陽を眺めるシーンが、切なくて美しかった。
それにしても、この人も結構なカメレオン俳優だよね…役への没入ぶりは本当にすごいと思う。天性の俳優という感じ。

BLから抜け出てきたような

お久しぶりです!
気がついたら前回の更新から半年近く経ってました。

いやそれにしても毎日暑いですね。
春先に「桜の開花が早い年は猛暑になるそうですよ〜」って聞いてへーと思ったんだけど、本当だったのかー!
しかし、猛暑にも限度があるよね……中東より暑いとかどうなん、それは。
もしかして今世界で一番暑い国だったりして、日本。

先日遭遇したニュース↓
http://eiga.com/news/20130805/16/

ベン・ウィショー? WHO? でも同性婚とかカムアウトした海外芸能人っていかにもというか、イマイチ萌えない人が多いしな〜、と誠に勝手な先入観を抱きつつ検索してみたら――キャーキャー! めっちゃ萌えるじゃないですかー!

なんか腐女子界隈で“BLから抜け出てきたような”と形容されてるらしいんですが、うーん、確かにそんな雰囲気。
「スカイフォール」のQとかQとか。直球ど真ん中だよねえええ。

そんなわけで俄にフィーバー到来したので、ウィショー君出演作を借りて観ています。
まずは「スカイフォール」と「テンペスト」。

『007/スカイフォール』Skyfall     2012年 イギリス/アメリカ

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007にもダニエル・クレイグにもほぼ興味がないので、こんなことでもなければ観なかっただろうなあ…となんにも期待せずに観始めたんだけど、予想に反してかなり面白かったです。
イギリスってこんなアクション娯楽大作作れるんだー、すごいなあ……そして羨ましいなあ……。
暗い過去持ちで、スーパー攻め様から程遠く、あれこれ葛藤する人間臭いボンドでしたが、これが21世紀の007像なんだなーとちょっと感じ入ってしまいました。
でも要所要所でちゃんと決めるところはさすがボンド、みたいな?

ベン・ウィショー演じるQは線の細いITオタク風キャラでした。
オタクだというのに、中身がウィショー君だとこんなに魅力的になるんだわー。
確かにマンガに出てきそうな……高校の化学部で副部長やってる、謎めいた切れ者キャラ(でも実は天然)っぽい、そんな雰囲気。
出番は少なかったけど美味しいキャラだと思います。次回作ではもっと出番増えるといいなっ。


『テンペスト』The Tempest     2010年 アメリカ

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これはつまんなかったなー。
原作の『あらし』、すごく好きなんですが、この映画についてはよくもここまで退屈な作品に仕上げられるなとしか思えない…。
そもそもプロスペローを女に変えてるところからしてもう、何の必然性もない改悪だし。
せっかくのヘレン・ミレンがまったく活かせてないし、全体的に創意工夫がない感じ。
ただベン・ウィショーのエアリアルは結構よかったんじゃないかな、贔屓目抜きで。
全裸なのは眼福でしたが…いや謎でしたが、もっといかにも妖精風な衣装着せてあげてほしかった気も……絶対似合うと思う!

最近(?)観た映画

最近というか、ここ数カ月で観た映画&DVDの感想です。
こうして並べてみると結構偏ったラインナップだなあ…。
昔と較べて、恋愛モノ(ホモ除く)や重めの文芸モノに食指が動かなくなったような気がする。

+++++

『バトルシップ』Battleship   2012年 アメリカ

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典型的アメリカおバカ映画、だがそこがいい、という作品です。
異星人が襲って来ました、アメリカがやっつけました、USA! USA! みたいないつものストーリーなんだけど、独善臭がなくエンタメに徹しているところがいい。
見所は、退役艦ミズーリを動かして、すごくアナログな方法で敵を粉砕するシーンかな?
戦艦好きにはたまらないものがあるはず!
日本の海自士官(浅野忠信)をカッコよく描いてくれたのも好感度◎でした。


『第9地区』District 9  2009年 アメリカ/ニュージーランド

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『バトルシップ』観た後、異星人襲来モノの傑作と聞いてDVDで観てみたんですが、わたし的にはかなりダメでした…。
何度か観るのやめようと思いつつ最後まで観てしまい、やっぱ観なきゃよかったと大後悔。
エビ型異星人とか、スラム街っぽい舞台とか、全体的にグロくて生理的に受け付けなかったのが敗因です。
効果音もなんかグロい感じで気持ち悪いんですよね。
目にも耳にも心地いい部分がひとつもなかったけど、それも監督の狙いなんだろうな。
SFの傑作というよりカルト作品って感じですね。
自分にはさっぱり合わなかったけど、ハマる人がいるのはわかる気がします。


『シャーロック・ホームズ』Sherlock Holmes  2009年 アメリカ

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公開時に見逃してたのを今頃観ました。
うーん、期待してたほどには面白くなかった。全体的にメリハリに欠ける気がしました。
アクションが売りと思われるわりに、そのアクションの見せ場に今ひとつインパクトないような。
それと悪役もインパクトに欠けるというか、微妙にショボくて残念だったわ。
役者さんはいいと思うんだけど……あと世紀末ロンドンって感じの雰囲気もよかったです。


『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』Sherlock Holmes: A Game of Shadows
2011年 アメリカ


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前作より面白かったですー。
腐女子狙いの(?)シーンも前よりあからさまでしたね(笑)。
滝の話までやるとは意外だったなあ…。
最後のシーンは乱歩の人間椅子を思い出してしまいました。
一体いつからあの部屋にいたんだろう、ホームズ。


『裏切りのサーカス』Tinker Tailor Soldier Spy  2011年 イギリス/フランス

Tinker Tailor Soldier Spy/裏切りのサーカス[UK-PAL][Import]

なんというおっさんパラダイスな映画。
原作はジョン・ル・カレのスパイ小説で、冷戦真っ只中の1970年代が舞台です。
諜報合戦の裏側に交錯する男たちの愛憎が、もうとてつもなく濃くて、それだけでお腹いっぱいになります。萌えです。
難点は、時系列が行ったり来たりでわかりにくいことかな。
あとメインふたりの同性愛関係も、物語のキーになるわりにわかりづらい。
まあ原作読んでれば余裕なんですが、私は読んでなかったのでちょっと混乱しました。
でも面白かったので満足。DVD出たら、また観ますー。
そうそう、BBCのシャーロックの中の人が出てた! ゲイの役!
もう一人の若手スパイ役やってたトム・ハーディもよかったな〜。
『ダークナイト ライジング』にも出てたし、これから露出増えそうな感じ。 


『ダークナイト ライジング』The Dark Knight Rises  2012年 アメリカ/イギリス

ダークナイト ライジング [DVD]

これにてノーラン版“バットマン三部作”終了かあ……淋しいな。
冒頭の飛行機アクション(?)が凄かったです。あれ全部CGナシなんてすごすぎるわ…。
物語的には、わりと無難なアメリカンヒーローものとして完結してるんじゃないでしょうか。
ものすごくよかった!ってほどではないけど、面白く観れました。
つい前作の『ダークナイト』と較べちゃうんだけど、あれはジョーカーありきの世界観だからなあ。
ヒース・レジャー亡き今、あの延長線上の物語はもう作られないのかと思うと、やっぱりちょっと残念かな。
あとは、キャット・ウーマン役のアン・ハサウェイが綺麗でかっこよくて、目の保養でした。主役のブルースより印象に残ったかも。


[おまけ]
『CASSHERN(キャシャーン)』  2004年 日本

CASSHERN [DVD]

なんじゃこりゃあ〜。
これ映画じゃないでそ。PVでそ。
脚本・構成・演出、どれひとつ物語の体裁をなしていない…。正直想像以上だったっす。
伝説の『デビルマン』はこれよりすごいのか…どんだけのもんか見たくなってしまう私はドMかもしれない。

腐女子としては見逃せない

トヨタの↓のCM、すごいですねw
http://www.youtube.com/watch?v=zVwJrAr7GkY (トヨタ オーリス)
これっていわゆる“男の娘”ってやつでしょうか?
天下のトヨタ様がこんなCM作るとは……いいぞもっとやれ。

そういえば、今更感ハンパないんですが最近“bromance”なる言葉があるのを知りました〜。
近年の欧米ヒット作品におけるキー要素の一つとかなんとか??
そういやアメリカ映画って、昔から同性愛ネタを隠れたテーマに使うの好きだったよね…『ベン・ハー』とか『明日に向って撃て!』とか。
その点ヨーロッパの方がオープンというか、あからさまな作品多いイメージ。
ターゲットとなる市場の違いでしょうか。

で、ここ数年はまたちょっと違う流れが来てる気がする…。
と思ってたんだけど、これがつまり“ブロマンス”だったわけなんですね。
思い起こせば『ブロークバック・マウンテン』(観てないけど)あたりから始まっていたのかも…。
最近じゃあ、映画『シャーロック・ホームズ』とか、もろそうだよなあ。
(RDjr自身が「主役二人はゲイカップル!」って公言してるのが笑える)
おまけに(?)バットマンの作者までバットマンはゲイとか云っちゃうし…ってどうなんですか、それ。
まあ腐女子にとっちゃ有難いことではあります。
(ていうか腐女子って世界的にマーケティング対象になってんですかね? うーん……)

そして“SHERLOCK”なんですけど、これはもうどこからどう見てもブロマンスですよね!
そもそも原作からして元祖みたいなもんだしな……あれを現代に置き換えて作るとなるとやっぱそうなるよね!みたいな。
私、小学生の時にホームズシリーズと明智小五郎シリーズにはハマったけど、アルセーヌ・ルパンは今ひとつ惹かれなかったんですよね。
でもってホームズとワトソンが別居してる話よりも、同居してる話の方が断然好きだった……話の筋にはまっっったく関係ないというのに。
今にしてみれば、無自覚ながら腐女子アンテナが作動してたとしか思えないわー。
いやあ三つ子の魂百までってやつですね。

話がそれましたが、“SHERLOCK”は、現代に生きるH&Wとしてのふたりが唯一無二の友(?)となってゆく過程を、英国らしくスタイリッシュに21世紀の今という空気感を滲ませながら、ミステリ成分と同等の比重で描いている、そういう作品かなと思います。
その描き方がホモホモしいのもまた現代的で面白いよね!という。
基本的にゲイネタはわりとギャグっぽく入れられてるんだけど、なにしろ英国式ユーモアなのでどこまでネタなのかわからず軽く踊らされてしまう…そういうM心をそそるところも好きですっ。

しかし、シーズン2の第3話(原作の「最後の事件」にあたる話)は切なかったな。
シャーロックからジョン(ワトソン)への最後の電話とか、ジョンがシャーロックのお墓の前でひとり、シャーロックに語りかけるシーンとか、もう辛すぎて見てられないって感じです。
「君に逢うまで、僕は孤独だった」ってジョンの言葉には泣けたわ。最後の「僕のために奇跡を起こしてくれ。死んだままでいないでくれ」ってところも……滲み出る愛情が切ない。
役者さんの演技もすごいんですよね。
較べちゃいけないと思いつつ、今の日本のドラマや映画の惨状を思うと……はああああ。

ジョンのためにもシャーロックには早く復活してほしいところですが、なんでもシーズン3の放映予定は来年10月だとか。
あ、あと1年以上も先……(…)。
それまでは意地でも死ねないわー。SHERLOCKとヤマトを心の支えに生きよう。

そしてこれを機会にブロマンスな海外ドラマ探索の旅に出るべ、と思ったら『トーチウッド』というこれまた英国ドラマに当ったので早速TSUTAYAへ行ってくることにします。わくわく。

ドラゴン・タトゥーの女

ドラゴン・タトゥーの女

なんか映画観に行きたいな〜と思ってたところ、これが評判良さげだったので行って来ました。
しかし、一人でレイトで観たのは失敗だったかもしれない……帰り道怖かったよーん。
ていうか監督のデイヴィッド・フィンチャーって『セブン』の人だったんですね!
うわあああああ、それ知ってたら観に行かなかったのにぃぃぃ。
作品自体はすごく面白かったんですよ、面白かったんだけど、しかし、『セブン』同様に猟奇趣味が勝ち過ぎてるんだよなあ…。

ストーリーは、ものすごくざっくり云うと、スウェーデンを舞台にした「犬神家の一族」+切り裂きジャック÷2に現代的なサイバー要素をまぶし、オマケに財界汚職とかマネロンとかの話もついてくる――というものです。
いろいろテンコ盛りというかぎゅうぎゅう詰め込んであります。
かといって散漫に陥ることなく、ギュギュッと濃縮された物語がテンポよく進んでいきます。
さすがフィンチャー。

主役は雑誌「ミレニアム」編集者・ミカエル(ダニエル・クレイグ)と、その助手・リスベット(ルーニー・マーラ)なんですが、このリスベットがすごーく魅力的!
(しかし、そのぶんダニエル・クレイグが空気になってる件)
少年みたいな華奢な体型で、顔立ちもアメリカ人らしからぬ(失礼)繊細さで、ちょっと翳があるんです。
もろ日本人好みだと思う。
あ、アメリカ人というか作品上はスウェーデン人ですが。
そういえば、スウェーデン舞台の話で登場人物もみんなスウェーデン人なのに会話は全部英語って…!と結構違和感あったんだけど、アメリカはジャイアンだからね、仕方ないよね。

と話が逸れましたが、個人的にこの映画の半分いや8割はリスベットで出来ていますと云ってもいいくらいよかったです、ルーニー・マーラ。
あとの2割は冒頭のタイトルバックかな。
なんというか、Coooooooool!!!って感じで超カッコよかったです(ちょっとグロいけど)。
予告篇にもタイトルバックと同じ曲が使われてるんだけど、これもすごくクールなイメージ。
http://www.youtube.com/watch?v=WVLvMg62RPA
ツェッペリンの「移民の歌」という曲のカバーだそうで……こういう昔の名曲をブラッシュアップして使うのってセンス試されそうだわ。

あああ、予告篇観たらまたドキドキしてきた…。
この、雪に閉ざされた田舎町の閉塞感が半端ないんですよ。
そういえば晴天の日がなかったような……北欧の冬ってこんななのかしらんと思ってしまった。
(以下ネタバレ含むので隠します)