ちなみに女性客9割

ネットでも現実世界でもウィルスが猛威をふるってますね。
巡回サイトのひとつがウィルス感染の為に一時閉鎖されてしまい、意気消沈してますよ…無事復活してくださいね…。
そして現実ウィルスのために、部屋のどっかにあるはずのマスクを捜すこと2日間、やっと発掘しましたー。あってよかったー!

それはさておき、先日、映画『ハゲタカ』の試写会に行ってきました。
大森南朋と訓覇Pの舞台挨拶付き。噂どおり、南朋さんはテレビで見るより細かったです。
脚とかめっちゃ細く見えたなあ。あと、思ったほど猪首でもなかった。普通にスタイルよかったです。
すごく飄々とした雰囲気の方だったんですが、黒い帽子にヒゲってのがその印象に拍車かけてたかも。俳優というよりミュージシャンっぽい感じ? 
でもって、やっぱりお父さんによく似てるなあと思った。

お話の中で印象に残ったのは、
訓覇P「とにかく男の映画です。スーツです」
南朋さん「自分にとってすごく思い入れのある作品(←2回云ってた)」
そして、お二人とも、この映画が上質のエンタメ作品だということを強調してらっしゃいました。
実際、ドラマ以上にジェットコースター展開のエンタメ作品でしたね。濃かった!

でまあとにかく、男、男、男と、訓覇Pのお言葉通り、潔いくらい男だらけの映画だったです。
公開されたらまた行きます〜。
以下、ネタバレってほどじゃないけど念の為に隠します。

3泊4日

『ダークナイト』、面白かったー。
ジョーカーがすごすぎる…バットマンを喰ってるよ!
でも、バットマン役の人も上品なセレブが板についてる感じでよかったです。
特に執事との共犯関係(?)がいい! 萌え。ちょっとデスノのLとワタリを思い出しました。
執事役の俳優、なんか見憶えあるなあと思ったら、マイケル・ケインだったとですか。
品のあるおじいちゃんになったんだなあ…坊ちゃん思いの執事役がぴったりハマッてた。

ジョーカー役の人は映画の撮影直後に亡くなっていたのですね…。
もうこの人のジョーカーは見れないのかと思うと残念でなりません。
ていうかバットマン観たの初めてなんだけど、ヒース・レジャー以外のジョーカーって全く想像できない。
それくらい一体化しちゃってる気がしました、ジョーカーとヒース・レジャー。
それはそうとこの役者さん、『ブロークバック・マウンテン』に出てたんですね。ちょっと観てみたくなった。

さて、前作も面白いとのことなので早速借りてきました、『バットマンビギンズ』。
これ、すごい人気作品らしくて、新作でもないのに3泊4日でしたよ。
そういや昔、『木更津キャッツアイ』がレンタル中ばっかで全然借りられないことがあったんだけど、この時も途中から3泊4日レンタルに切り替ってたなあ。
(ちなみにこのTSUTAYAでは、未だに『池袋ウェストゲートパーク』がレンタルトップ10に入ってる)
相当回転率のいい作品に限ってってことで、なんかちょっとしたVIP待遇だなあと思った、3泊4日レンタル。

そろそろ『MILK』が公開されるんですよね(都会ではもう公開されてる?)。
ガス・ヴァン・サントの新作がなんと!ハーヴェイ・ミルク! いやー、めっちゃ愉しみです。
少年じゃなくて大人の話で、政治絡んでて、っていつもとは全然違う雰囲気の作品になってるんだろうか。想像つかないや。

あー、それにしても歯が痛い……先日親知らずを抜いたんだけど、1週間近く経ってもまだ痛い。痛み止めがないと生きていけないー。
親知らず、まだ抜く予定だったけどもういい。2回目はないわ。ううう。

嫌われ松子の一生

嫌われ松子の一生 通常版 [DVD]


冒頭木村カエラがドアップで歌い出すもんで、本篇前のCMがまだ続いているのかと思ったら既に映画は始まっていた……という導入部からして、結構人を食った感がある。
でも、なんだか愉しそう。むしろ進んで騙されたくなるような……そう思えたら大丈夫かもしれない。
ある意味騙されたもん勝ちの作品だろうか。傑作か駄作か、人によって評価がはっきり分かれそうだ。

あらすじだけ読むと、愚かな女の転落人生としか思えない悲惨な話である。
しかし、悲惨なエピソードがコミカルなミュージカル形式で描かれるものだから、陰鬱さは殆どまったく感じられない。むしろシュールとさえ云えるかもしれない。
ミュージカル形式というよりPVっぽいかな、この、夢の中にいるかのような非現実性が終始漂っている感じは。
背景は書割っぽく、色味は夕陽に似た赤味を帯びて、なんだかポップで美しいのだ。

さて、この夢みたいなメルヘンみたいな世界ではいつもどこかに花が咲いている。
それは虚構性をいっそう強めながら、“殺伐さ”という毒素を中和する役割を担っているようにも見える。
花は、松子が殺される河原にさえ咲き乱れていて、まるで誰も看取る者のなかった松子の死を慰めているかのようだった。
川尻松子という人物は、浅はかで思い込みが激しく、同性から見ても到底共感は出来ないタイプの女性なのだが、何故か不思議と憎めない。
それはおそらく、惜しみなく愛を与えながら愛されることを待ち続け、その愛情には一点の打算もなかったからかもしれない。
そういえば、「松子」という名には「待つ子」の含意もあるんじゃないかと思った。

松子にとって、愛情も赦しも一方通行のものでしかなかった。
松子が、最も愛され、赦されたかった人々の――父と妹の本当の気持ちを知った時には、皮肉にも彼らは亡くなっていた。
「愛されたい、理解されたい」と思いながら、いつも空廻りしてばかりだった彼女の人生。
しかしそんな人生の最期、幕が降りた後に救いは訪れる。
まるで祝福されたように天国への階段を昇ってゆく松子と、彼女を迎える優しい笑顔の妹。
そして交わされるふたつの言葉――「おかえり」と「ただいま」。
このラストシーンは本当に美しい。松子の人生が見事に昇華された瞬間だった。

作中、松子の人生を描く上で、監督は、リアリティに寄り添うことを徹底的に放棄していた。
虚構の世界をいかにリアルに見せるかが本来の映画作品だとしたら、『嫌われ松子の一生』はその逆を行くことでカタルシスを生み出し得た、いわば変化球勝負の成功作ではないかと思う。

8 Mile

8 Mile [DVD]


DVDのジャケット、カッコいいな。
歌ってるエミネムもカッコよかった。ただし、ふだんはそのへんにいるただのお兄ちゃんなんだけど。
そう、鑑賞前の予想を裏切って、エミネムにはスーパースターオーラありませんでした。
目尻がちょっと垂れてて口元もしまりがなくて、マッチョというより優男。友人達からは“ラビット”と呼ばれている、なまっちろい兄ちゃんだった。
しかし、そんな優しげな青年がマイク握ったとたん、歌い出したとたん、すごいオーラを発するんですよ。
観客を煽って興奮のるつぼに叩き込む、その才能、迫力たるや。これぞカリスマなんだと思った。

主役はエミネムでもありヒップホップ音楽でもあり、という映画だと思う。
ヒップホップってこんなにすごいものだったのか、と自分も含め、観た人はみな感じるんじゃないだろうか。
ただリズムに言葉を乗せればいいってもんじゃなくて、いかに巧みに韻を踏むか、機知を交ぜるかってことが問われる、相当難易度の高い言葉遊びだと思った。
いや、「言葉遊び」という云い方はふさわしくないかもしれない。なにしろ歌詞(リリック)が相当過激で攻撃的なので。

調べてみたところ、ヒップホップの成り立ちにはストリートギャングの抗争も関係しているようで、攻撃性はそのバックボーンとしてあるのかもしれない。
作品中でも、バトルと称する一対一の対戦形式で歌われており、容赦ない罵詈雑言をお互いに浴びせあう。
まあ、はっきり云って放送禁止用語の嵐なんだけど、この攻撃性は肉食人種ならではだなあと感心した。
そしてそれ以上に、あれだけ言葉のパンチを浴びせられてもへこたれない逞しさに感動した。
でも、これがメディアの波に乗ってメジャーになっていくと、いずれ去勢されたようになっちゃうのかな。
過激だからいいってわけでもないが、ヒップホップ本来の反骨精神とショービジネスの世界って相容れないもののような気がしなくもない。

映画の中で何人ものラッパーたちがリリックを競い合うのだが、語彙、センス、言葉の流れと響き、すべての点において、やはりエミネムは頭抜けている。
天才って、どんな素人にも一瞬でその作品の素晴らしさを理解させられる人だと思うんだけど、エミネムはまさにそう。
テーマ曲の“Lose Yourself”とか、DVD観た後で聴くとなんか病みつきになりそうな感じ。
カッコイイよね、この曲。

バスの中や夜の部屋でエミネムがひとり黙々と詞を書くシーン、ここだけ空気の色が違ってて印象に残った。
何か静かなオーラが出ていた気がする。青白い感じの。
それと、幼い妹の面倒を見るシーンも微笑ましくて好きでした。この妹がまた可愛いんだな。
母親や友人、職場の同僚たちもそれぞれ味があってよかったと思う。
ジミー(エミネムの役名)は友達に恵まれてるなあ。
ところで、出てくる白人女性が見事にみな金髪だったのには笑ってしまった。まあ男の映画って感じだからなあ…仕様ですかね。

というわけでストーリー自体はあっさりしたものだったけど、面白かったです。満足。

ああかがやきの四月の底を

最近なんだかダウナー気味というか鬱々と気が晴れないので、元気の出る映画でも観るかとTSUTAYAに行って来ました。
が。
今ちょうど100円レンタルやってるし、目ぼしいのは全部レンタル中かもと思ったら、見事に……。
『ダークナイト』観たかったんだけどなあ(全然元気出そうにないイメージですが)。しばらく待つかー。

で、結局『8マイル』と『嫌われ松子の一生』と『人間・失格』を借りてきましたよ。
ていうか、こうして並べてみるとなんか…むしろダウナー促進系…? 『8マイル』以外。
そういえば、Yahoo!のニュースに英誌発表の「落ち込む映画」ランキングなんてのが載ってましたね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090408-00000005-eiga-movi
(『火垂るの墓』がランクインしててびっくり)

私は幸い(?)4位の『道』しか観たことなかった。
でも、これ、別に落ち込まなかったなあ。物悲しくはあったけど。
ハッピーエンドじゃないけど救いはあったから、かな。本当に落ち込む映画って希望の灯さえ見えない映画なんだと思う。
そんな映画あったら怖いけど、実際ありそうで怖い気もするので、とりあえず上のランキング作品はこの先避けて通ることにしよう。

『8マイル』は、以前友人が主題歌のエミネムの曲を歌いながら、これすごいポジティブソングなんだよと云ってたのを思い出して借りてみた。
なんでも自分で自分に活を入れるのにはぴったりらしい……今、世界で私ほど活を必要としている人間はいないと思うので、効能を期待しつつ愉しみに観ます。

ところで、なんとなく『8マイル』のエミネムって、ポジティブパワーが身中に収まりきらずオーラのように溢れ出してるんじゃないかと、勝手に想像してます。
観ている人間もそれに感化されて不思議と元気になっちゃうみたいな。

それと真逆のパターンでピカソの話がありますよね、って『NIGHT HEAD』で知ったエピソードで詳細は不明なんですが、ピカソの周囲には自殺者と精神に異常を来した者が多かったという話。
直人兄さん(in NIGHT HEAD)によると、ピカソはそういう負のオーラを発していたのではないか、とのことでした。
それで思うのが、芸術系の天才ってやはりどこか異常なところがあるもんなんだろうなということです。
同じようにパワーが溢れ出したとしても、それは必ずしもまっすぐではない。
むしろ独創性ゆえに歪つな形をしているのかもしれず、周りの人間に負の作用を及ぼしてしまうこともあるのかもしれない、とまあ、そもそも天才のエネルギーって凡人には受け止め切れないよな、とそんなことをつらつら連想しました。

元気の出る映画について語るはずがなんか微妙に脱線……DVD、効果てき面だったら何か書きます(たぶん)。