至福の徹夜明け
先週今週と『スラムダンク』をまとめ借りしてきて読んでました。
読み出したら止まらないので、きりのいいところで一旦中断して用事を済ませるようにしてたんだけど、昨夜は「連休だから」とつい読み耽ってしまい、気がついたら夜が明けていた……最終巻まで計14巻一気読みですよ。
感想は、「面白かった!」と「感動した!」、もうこれ以外出てこない感じですね。
湘北チームも対戦相手の選手たちも、出てくるキャラみんなバスケが大好きで、そこにすべてが集約されるシンプルさがいい。
一人一人のバスケに寄せる想いが、それぞれ微妙に違うかたちをしていて、でもそれぞれにリアルなんだよなあ。
最初は汚れ役系かと思った豊玉の南なんかも、やっぱりバスケが好きで好きでたまらない少年で、それをリアルな説得力でもって描く井上雄彦はすごいです…。
こういうエピソードって、作者に力量がないと嘘くさい綺麗事になりがちだと思うんですよね。
豊玉の監督の「オレはお前らが大嫌いだ。なのになぜ…負けちまえって気にならないんだ」ってセリフもよかった。
そういえば、スラダンは名セリフの宝庫だそうで、有名な「あきらめたらそこで試合終了ですよ」は、読む前から私も知ってました(笑)。
あと、「バスケがしたいです、安西先生」も。
読みながら、どこで出てくるのかワクワクしてたんだけど、どっちも花道ではなくミッチー絡みだったんですね。
ただ、「あきらめたらそこで試合終了ですよ」は、最後の山王戦でもう一度出てくるので、安西先生のポリシー且つ作品のテーマのひとつでもあるのか――。
それにしても、どのセリフをとっても、それぞれのシーンにぴたりとはまってるところがすごいですよねえ。
そういうところも名作たる所以なんだろうな。
登場人物の中では花道と、ミッチーこと三井が特に好きでした。
花道は、とんでもない失敗しつつもぐんぐん成長してゆく姿を見てるのが最高に楽しかった。
“シロート”設定なのも感情移入しやすいポイントだったかも。
ミッチーはルックスと、他のキャラほど精神的に強くないところとそれでも頑張るところ、そして育ちがよさそうなところが好きかな。
もしかして母性本能をくすぐるタイプかもしれないですね。
ところで、自分の好きになるキャラって2番人気かそれ以下のことが多いので、ミッチーもあんまり人気ないだろうと想像してたんですが、ダントツ1番人気(@Yahoo!のアンケート)で驚きました。
そうだよね、カッコイイもんね、うんうん。
しかし、今思い返しても、山王戦――特に終了間際の1分間は鳥肌モノだった。
最後の力を振り絞って花道がシュート決めた時は泣きましたよ。
(ていうか、山場ではことごとく泣かされたわけですが)
ページから伝わる緊張感もすごかった。緊張感と興奮が極限に達してストイシズムさえ感じさせた気がする。
そして、そこから解き放たれた歓喜の爆発も。
この1分間は、スポーツをする者にとっての至福が凝縮された1分間だったんじゃないかと思いました。