ハゲタカ
7月に入って仕事がすんごい暇になったんですが、時間があればあったでダラダラしてしまうなあ…。
忙しくて何も出来ず、暇でも何も出来ない……。
映画『ハゲタカ』の感想を書こうと思ってるうちに上映が終了してしまいました…。
1ヶ月あまり…祭の渦中にいるとあっという間ですね。ああ、毎日ワクワクドキドキで楽しかったなあ。
(でも仕事してる間は異様に長い1ヶ月でもあったという)
六本木と新宿はまだしばらく上映してるそうで、なんか細い糸に希望を託したくなりますね。
このまま粘りに粘って上映続けてくれないかな。来月東京行くので、それまでやってて! お願い!
そういえば、お台場のガンダムが8月いっぱいなんですよね。あれも記念撮影してこよう。ふふふ。
結局、試写会含めて3回観たんだけど、初回と2回目以降では結構自分の中の感ずる部分が違ってて、そのへんも面白かったです。
思ったより劉の存在感が大きく、しかし、心情を忖度するのが鷲津以上に難しい人物のため、最初はどう捉えていいのか戸惑ったんですよね。
ドラマ同様、あるいはそれ以上に、脚本が行間を読ませる作りになっていたせいかもしれない。
劉にしろ鷲津にしろ、セリフよりも表情や仕草、沈黙こそが雄弁にその心情を語っていたんじゃなかろうか。
何か観客の想像力を試すような、非常に余白の多い作り――そういえば、こういうのってちょっと能っぽくない?
や、もちろん、ハゲタカに謡曲めいたところなんてないんだけど、なんか余白に重きを置く作劇法が能っぽいかなあ…と……。
でも、その日本的感性に寄り添う作りが、題材のドライさに作品性を与え、独特の『ハゲタカ』的世界観を生み出しているようにも思えるのです。
ツッコミどころも、やはりドラマ同様結構あると思う。しかし、それを凌駕する魅力があるんだよなあ。
考えてみれば、世に名作と謳われる作品ってそういうの多くないですかね?
ところで、スタンリー株が暴落するシーン、なんかデジャヴュがあるなあと思ったら、同じ林宏司脚本の『ビッグマネー!』に似たようなシーンがあったんだった。
これ、メガバンク潰しの話なんだけど、風説の流布から銀行株を暴落させるクライマックスシーンがちょうどリヴァイアサンの断末魔って感じで、スタンリーのシーンに重なるものがあるんですよね。
『ビッグマネー!』も実際トンデモな部分あったんだろうけど、そんなことどうでもいいくらい、とにかく面白い作品でした。
林脚本のキレのよさは尋常じゃないと思う。
それにしても、劉は美しかったな…。札束がひらひら舞うシーンなんてもう、目が釘付けになっちまいましたよ。
このシーンと、CLICがアカマから手を引くと聞いて机の上をばーん!と叩くシーンが、劉絡みだと特に好きかな。
映画全体で一番好きなのはラストシーン、赤土の大地に佇み、それから歩き出す鷲津のシーンです。
あの大地って、きっと劉の原風景なんですよね。
劉の辿った道のりを思い返すと、どうしようもなくやるせなく、泣けてしまうのだけれど、最後、新たな戦場へと(或いは“資本主義の焼け野原”へと?)踏み出すかのような、鷲津の確かな足取りになんだか救われた気がした。
そう、そして人生は続いてゆくんだよね…。
次があるとしたら、やっぱり守山くんが何かしら絡んでくるのかな。考えただけでワクワクしてしまう。
ああ本当に続篇あるといいなあ。