みそか

大変お久しぶりです。
2011年(平成23年)も残すところ後1日となってしまいました。
私は昨日まで仕事だったんですが、こんな歳の瀬に風邪を引き込んでしまい、でも仕事は休めず、となんかもうヘロヘロな年末を過しています。
やっぱマスク予防は大切だよね、うんうん。

話変って、クロネコヤマトがすごかった件。
今日実家の母宛に届いた宅急便(from伯父)が、町名と電話番号と下の名前しか合ってなかった(!!)、すげー。
「◯◯市△△区☆☆11−22」→「◯◯市☆☆333−44−5」みたいな住所になってた上に、母の氏名が旧姓だよ、おいおい。
届く前にドライバーさんから電話があって、道案内した上で来てもらったんですけどね、それでも結構近所まで探り当ててたんですよね、すごいわ。

ヤマトといえば夏にもトンデモな1件がありました。
この時はT芝のオンラインショップが発送元だったんだけど、住所の町名が抜けてて、
「◯◯市△△区☆☆11−22」→「◯◯市△△区11−22」になってたの。
それでも届けてしまうヤマト、まさに!マジぱねえっす!!

さて、ここから本題で、先日積み本中の『SEX PISTOLS 6』を読みました。
おおお、画がまたえらく変っとるではないか……いやしかし、以前の壮大な変りっぷりを思えばまだマシかもしれん…と前向きに考えておこう。
なんか雰囲気が重いというか思わせぶりというか、『コンクリート・ガーデン』っぽいですね。
『コンクリート〜』は佳作だったけど、こっちはどうかな。見事に風呂敷畳んでくれることを祈ってます。

そしてお約束な流れで1巻から読み返して萌え再燃、やっぱ米しろ篇はよく出来てる!!
このシリーズってぶっちゃけ設定の勝利、たらこさんは設定思いついた時点で成功を確信したに違いないと思うんだけど、米しろ篇は特にその旨みが十全に発揮された話だったんじゃないでしょか。

“本能で惹かれ合う”ってテーマがねー、最高に萌えなんですよねー!!
ありがちな設定だと途端に嘘くさくなっちゃうけど。
そんな嘘くささとは無縁の「斑類」設定、この説得力を見よ……。
米国の相手はしろでなければならず、またしろの相手も米国でなければならない、という絵に描いたような唯一無二の恋愛ですね。
ああ萌えって素晴らしい。

米しろ篇は伏線の張り方も見事だったなあと思います。
・しろの正体
・米国のしろへの気持ち
特にこのふたつについて、ヒントを小出しにしていく構成がうまい!
米国の夢遊病設定も、本能と理性のアンバランスさを彼の特異体質にうまく絡めてるなあと思う。
頚筋のキスマークを見てから本能がすべてを押し流し始め…って展開も萌えです。

それと物語に余白が多いのも妄想を煽るんですよねえ。
オオカミ=断絶種の設定とか……ここからいくらでもエピソード作れそうなのに、作らないのがたらこさんらしいというか。
使い捨て設定だとしたら、すごく贅沢だわ。

何度読んでも面白い、萌える、という点で、『SEX PISTOLS』は『真夜中を駆けぬける』シリーズと並んでマイベストBLです、今のところ。

残暑お見舞い申し上げます

一昨日からやっと夏休みです。
今年は何やろうかなあ……とりあえず玄関の靴をキレイに片付けて、溜ったDVD観たいです。

ちょっと前のことなんですが、カーラジオで流れてた「アルクアラウンド」でサカナクションにハマりました。
私、実はPerfumeが好きなんですが、この2つ同系列っぽくないですか!?
なんか甘めなテクノポップなところが……まあPerfumeのがかなりキャッチーですけど。
サカナクションはちょっとYMO彷彿とさせる気がします。
自分の音楽嗜好のベースってつくづく80年代なんだわ。

それでYouTube漁ってたら、“サカナクション好きならフジファブリックも合うかも”的なコメントがあって、早速フジファブリック聴いてみたんですよ。
いやあああ、いいですね!!
音楽のタイプ違うのに、なんか似てますね、この2バンド。ボーカルが似てるのかな。
フジファブリックの志村さんは故人ですが……当時もショックだったけど、本当に若すぎたと思います。

そういえばスピッツの草野さんも似たタイプのような気がするなあ……内向的というか、一歩間違うと引きこもりになりそうなところとか。

サカナクションは早速CD借りてきて聴き入ってます(レンタルですみません。てかセルCDいまだに2800円ってどうかと思う)。
アルバム通して漂う世界観が心地いいです。
硬いような柔らかいような、熱いような冷たいような……。

ところで、最近の日本の音楽シーンってなんかおかしなことになってるらしいですけど、邦楽ファンはどこで情報得てるんでしょうか。
地道にライブに通うとか、ネットで自主的に色々捜してたりするのかなあ?
受け身な姿勢ではいい音楽に出逢えない時代なんだなあ…と思う今日この頃です。

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南国太平記

南国太平記

調所笑左衛門の改革策断行で、薩摩藩は財政立て直しに成功した。だが藩主斉興は世子斉彬に家督を譲ろうとしない。洋学好みの斉彬の浪費による財政再崩壊を恐れたのだ。一方、斉興の愛妾お由羅の方は、実子久光への家督継承を画策。その意を受けた兵道家牧仲太郎は、斉彬の子どもたちの呪殺を謀り、斉彬派の軽輩武士は陰謀暴露に奔命する。―藩情一触即発の風雲をはらむ南国藩「お由羅騒動」の顛末。

現在は「直木賞」という名前のほうが先行してしまった感のある作家・直木三十五。
かくいう私も、とあるきっかけでこの作品に興味を持つまでは全く知らない作家でした。
しかしながら、直木三十五がいなければ司馬遼太郎も池波正太郎も生れなかった――つまり今日の歴史小説はなかった、と云われている大作家だったんですね、実は!
由緒ある賞に名を冠せられているのも伊達ではない。
にもかかわらず、その代表作を本屋で買うことが出来ないとは……再販制度に胡坐をかいた出版界の怠慢なんじゃないですかね、これって。

さて私が『南国太平記』を知ったのは、十数年前、NHK-BSで再放送していた『風の隼人』という時代劇のおかげです。
このドラマの原作が『南国太平記』だったんですよ。
たまたま(というか夏目雅子目当てで)観始めたドラマでしたが、二転三転するダイナミックな物語と仇敵同士の百城月丸(坂東三津五郎/当時は八十助)と仙波綱手(夏目)の恋物語から目が離せなくて、気がついたらすっかりハマってました。
夏目雅子は、こういう愛憎相半ばするような宿命の恋が似合うんだよなあ……『黄金の日日』でもそんな役どころだった。
(と思ったら、脚本はどっちも市川森一なんですね。市川さん、わかってる!)

上の作品紹介にもあるとおり、『南国太平記』は幕末の薩摩藩に起きたお家騒動(俗に云う“お由羅騒動”)を描いた小説です。
しかし、そこに描かれているのは単なる九州一藩のローカル事件ではありません。
次期藩主・島津斉彬の語る未来、その思想に共鳴する若い藩士たち、そしてその一方で頑なにお家を守ろうとする重臣たち、彼らの意地や思いのぶつかり合いが物語を動かしてゆきます。
それは、やがて倒幕へと向かってゆくエネルギーのうねり――。
このマグマの塊のような灼熱こそが、作品を通底するテーマではないかと思いました。

ところで、一口に「倒幕派」と云っても、薩摩、長州、土佐等々の各藩また各尊攘派、いずれの目線を通して見るかで見えてくるものは微妙に異なりますよね。
佐幕派にしてもしかり……。
それぞれがそれぞれの主義・信条に基づいて行動している、その多様性(複雑怪奇とも云う)が面白いと思うんです。
「正義」はひとつじゃない、でも「愛国心」はみな同じ。
だからこそ、佐幕派にも倒幕派にも魅力を感じてしまうんだなあ…。
と云いつつ、やはり新選組と会津藩、そして河井継之助贔屓は変えられないんですけれども(笑)。
三つ子の魂百まで、というやつです。

本作の主人公は薩摩藩下級藩士の仙波小太郎(綱手の兄)という若者なんですが、小太郎一人に焦点を絞った書き方ではなく、どちらかというと群像劇っぽい構成になっています。
また、敵役であるはずの兵道家・牧仲太郎(月丸の父)や調所笑左衛門が単なる敵役ではなく、人間味を持った人物として奥深いところまで掘り下げて描かれているのも目を引きます。
(勧善懲悪を脱して、敵役を魅力的に描いたのは直木三十五が最初なんだとか)
調所や牧はさすがに大物らしく、彼らなりの正義を通した人物になっているんですよね。こういうところ、説得力があるなあと思う。
でもって俗物は俗物らしく……調所や牧と違い、最後まで生き残るところも俗物らしいっちゃ、らしいんですが、微妙に後味の悪さは残るのがねえ……なんとも。

個人的には、女性に冷たい(妹といえども容赦せずの)クールな美男子・小太郎に惹かれるところなんですが、一番人気は風雲児・益満休之助でしょうか、やはり。
価値観が激動する時代ならではの自由さを体現した、まさに時代の寵児と云える人物ですよね、益満。
他にも、やくざなスリから一転小太郎たちの強い味方になる庄吉や、小太郎のもう一人の妹として綱手にはない意志の強さを見せる深雪なども魅力的。

登場人物がどんどん死んでいったり、オカルトチックな呪殺描写があったりと結構ハードな内容なんですが、読後感は意外に爽やかです。
来たるべき時代への希望に胸ふくらませるような、そんな終り方ですね。
2段組600ページ近い大部でしたが、あっという間に読み終えられました。
面白かったです!

良くも悪くもハリウッド

アメリカ版ポスター


えー、まあタイトル通りの感想でした。

上のポスターはアメリカ公開時のものらしいですが、左腕の赤さが…なにやら禍々しいですね。
もう一個、オディールメイクのアップ顔のポスターもあるんですが、こちらはおどろおどろしいメイク+真っ赤に充血した目というホラーなシロモノ。
とポスター見ただけでも、制作側のスタンスが非常によくわかります。

日本版ポスターは私が見たところホラー要素排除してるようですが、アピールの方向性が違うんですかね。
“バレエ界を舞台にした心理サスペンス”とか? なんだかそれもなあ……合ってるようで合ってない。
“心理サスペンス”っていうのはやはり、主人公が少しずつ精神的に追いつめられてゆくその過程をどれだけリアルに面白く見せるか、そしてそれをあくまで役者の演技とセリフによって表現する、そこに醍醐味があると思うんですよね。
舞台劇に心理サスペンスの良作が多いのも、そういう理由からなんじゃないでしょうか。

翻って『ブラックスワン』はというと……とにかくショッキング!ショッキング!ショッキング! とまあ実にハリウッドらしい恐怖を煽る演出方法。
観客を引きつけておくためにとにかくショックを与え続けろ!って意図が透けて見えそうな。
こういうの、そういえば『シックス・センス』観たときも思ったなあ……。

大体ストーリーからしてどうよ。
NYCバレエのプリンシパルがあんなにひ弱いなんてありえねーとか、性的抑圧で統合失調症とかいつの時代ですかとか、ダンサー下手すぎ&品なさすぎとか。
性的抑圧の主因が母親の過干渉ってのも、相当手垢のついたテーマでまたかよって感じだし。
文句だけなら延々書き立てられそうです。
あるいは、これはなんちゃってバレエ界のホラー映画なんだ!と思えば腹も立たないかもしれませんが。
が! これ観て「バレエ界ってこんなセクハラ指導するんだ」とか「枕営業やるんだ」とか変な偏見持たれたらすごく厭だわ……(ないとは思うけど)。

まあとりあえず最後まで寝ずに観られたわけだし、それなりに面白い映画だったんだ…とは思います。
うーん、でもやっぱりこの手のハリウッドものはもういいかな。

新選組血風録(BSプレミアム)

ご無沙汰でございます。
(果たして、まだ見てくださってる方はいらっしゃるのでしょうか?)

前回の更新から早4ヶ月……まあGWまでには更新できるさーとか思ってたような気もしますが……そのまさかになってしまいました……あはははは。

それはさておき、久々にハマりものが出来たんです!!
そうです、BSプレミアムで放送中の『新選組血風録』です!!
もうね、すごいんですよ、本当に本物の“時代劇”なんですよ。
こんな硬派の男臭い時代劇なんて死滅したかと思ってたのになあ…と嬉し涙にかきくれてます。

土方歳三に永井大さん、近藤勇に宅間孝行さん、芹沢鴨(退場済)に豊原功補さん、というキャストです。渋い。
他の隊士はほぼ無名の俳優ばかりなんだけど、色が付いてないのが却っていい。
地味とも云えるけど(笑)。
わたし的には「地味上等じゃん!」って感じです。
とにかく皆さん、所作や殺陣がしっかりしてて爪の先まで新選組隊士なんですよね。
役者なら当り前のことかもしれないけど、最近は看板(のはず)の大河ドラマからして所作もへったくれもあったもんじゃないから…。
その心意気やよし、です。

私は『燃えよ剣』を読んで以来新選組といえば、一に土方、二に土方、三四が沖田で、五に土方ってくらい土方が好きなんですけど、このドラマにおいては一に沖田、二に沖田になりそうです。
ってそれくらい沖田役の辻本祐樹くんがいい!!!
司馬遼太郎の沖田総司は――現在流布する総司のイメージの原形とのことですが――魅力的なだけに癖があって、実際どんぴしゃりの役者さんっていなかったんですよね(私が観た限り)。
司馬さんの沖田って、子供のような透明感と鬼神のような残酷さ、無邪気に「かわいそうだな」と云うその心情と一切の躊躇いなく相手を斬るその心情になんらの齟齬もない、そういうどこか生身の人間離れした青年なわけですよ。
美男子がやればいいというもんでは決してない。

なので今回の辻本くんも、知らない役者さんってこともあり、あまり期待してなかったんですが、意外や意外まさにどんぴしゃりではないですかー。
風貌も雰囲気も素晴らしいんだけど、なんといっても殺陣が見事!
流れるような太刀さばきとはまさにこのこと――猫にマタタビよろしくうっとり見入ってしまいます。
ああチャンバラ観てるんだという充実感(涙)。

次は「沖田総司の恋」にあの「前髪の惣三郎」をミックスした回になるそうですが、一体どんな展開が待っているのだろう…。
せっかくだからがっつり衆道な世界を展開してほしいんだけど、無理かな。無理だろうな。

いずれにせよ楽しみです!


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今のところ、わりと堅めの一般書+マンガばかりでBLナシ、感想もないので何の面白味もないただの一覧表みたいなもんですが、本買ったら更新してると思いますので生存確認代わりにでも、とリンク欄にリンク貼っておきます。