さまざまのこと思ひ出す桜かな

桜

桜その2

5日ほど前、職場近くの公園で撮った桜です。
今はもう散ってるかな…。

満開の桜って、見てると何か物悲しくなってくる。散る時のことを考えちゃうからかなあ。
散り際の潔さも好きなんですけどね。その潔さを愛する日本人の美意識も好き。

そうそう、この写真撮ってた時、幼稚園くらいの女の子が「これもう葉桜だよ」とかお母さんに云ってて、「おおお」と思いました。

桜が終ったら、いよいよ初夏が近いですね。初夏といえば、

目に青葉 山ほととぎす 初鰹

やっぱこの句を思い出す。
桜とはまた違う情趣の、自然の輝きが目に浮んできます。

いろいろ

また更新の間があいてしまいましたが。
3月後半は忙しかったんだけど、前半何やってたんだろう…?

先週だったか、ネット中継でフィギュアの世界選手権観ました。浅田真央の「鐘」目当て。
フィギュアとかすごい久しぶりー。オリンピックはホッケーとカーリングしか観なかったし。
真央ちゃんの「鐘」は、YouTubeに上がってるのをたまたま観てガツンと衝撃受けたのです。
“天才”って噂は本当だったんだ!みたいな感じで。
で、世界選手権あるってんで観てみたんだけど、すごかった……生で観れて本当によかった!
ああいうプログラムで臨む自信というか、矜持に震えちゃいますね。あれ観て滂沱の涙を流す人がいるってのも肯けるわ。
浅田真央、恐るべし。

それにしてもフィギュア、ルール激変しててなんじゃこりゃ状態だった。
え、フィギュアって6点満点じゃなかったっけ?(って昭和過ぎだろー)
いや、ていうかトリプルアクセルが評価されないという信じがたい事実に開いた口がふさがらない。なんなのあれ。
その後ネットでいろいろ調べていろいろわかりましたが…腐ってんなあ、フィギュア界。
まあ昔から腐臭はしてたけど……にしてもひど過ぎなんじゃ? このままだと衰退の一途だと思うけどなあ。

その他、最近のあれこれ。

■恒例の(?)東京遊山に行ってきました(3/19〜3/22)。
冬コート着てったのに東京着いた途端気温高くなり、でも夜は肌寒いしで結局春コート買った…。ブーツで歩きすぎて痛みに耐えられずスニーカーも買った…。懐が一気に寒くなった…。
それもこれも、いろいろ愉しかったー! また別エントリで書きます。

■『フィリップ、きみを愛してる!』、面白かった!! フィリップ可愛すぎる……!!
ユアン・マクレガーがあんなに可愛くなるとはなあ…ホントに役者ってすごいわー。ああ可愛い。
ストーリーぶっ飛びすぎてて、実話じゃなかったらやり過ぎ感満載、ていうかホントに実話なん、これ??って感じなんですけど、ま、アメリカって面白い国だわ、ですべて収まる気がしなくもない。
今月からこちらでも公開されるのでまた観に行こう。ジムとユアンの身長差もステキなんですよねえ。

■SDカードの写真整理してて、4年前の北海道一人旅の写真発掘。
ちょうどこの時期だったんですよね、懐かしい。シーズンオフで札幌以外観光客皆無だったなあ……。当然ながら、「なんでこんな時期に??」と周りから呆れられた…。

雪原行

札幌から帯広へ向かう特急列車から撮った写真。
こういう景色が見たかった!!
緑の大地も好きなんだけど、やっぱり果てなく続く雪景色の方に惹かれてしまう。
途中、エゾシカの群れが駆けてゆくのを見ました。ああ冬の北海道、また行きたいです。

雪の花

花のように見えるのは、枝に積もった雪です。

雪原の写真見て、昔のCMを思い出した。
冬の森を歩いてるだけの映像なんだけど、音楽とぴったり合ってて好きだったな。
http://www.youtube.com/watch?v=paGGWxD0FF0

Relatedにあった懐かしいやつをもひとつ。
http://www.youtube.com/watch?v=cVETL_vzGCU
ううう、この曲聴くと高校生に戻ってしまうわ。懐かしいような切ないような。
この頃はCMからヒット曲がよく生れてましたね。
シンプルでセンスの有るCMも多かったし。もう四半世紀も昔のことなんだなあ…。

2009年回顧録

今日は何日…って25日か。25日。
え、もしかして2月ってあと3日……??
なんか1ヶ月くらい冬眠してた気がするなあ。

去年はそういえば“今年の抱負”なんて記事を書いてたんですねー。
こういうの書いて達成できたためしがないんだけれども、「ライブや映画にもっと行く」ってのはそれなりに(?)実行したかなあ。
と云ってもどっちも数回程度ですが、わたし的にはよくやったということで…。
時間なかったりで記事に出来なかったのが無念。

なんだけれども、11月に行ったゲルギエフ&マリインスキー歌劇場管弦楽団のコンサートについてはやっぱちょっと書いときたい。
ゲルギエフ好きなんですよ…来日公演はほぼ毎回行って…る?と思う…。

白系ロシアにタタールの血が混じってるらしいゲルギエフ、その指揮による演奏もどこか泥臭く、かつ非常にエネルギッシュ。
個人的にはこれぞロシアという感じがして好きなのです。
「展覧会の絵」なんかも、ゲルギエフが振ると、ラヴェルの洗練よりもムソルグスキー本来の土俗的な部分が露わに迫ってきてわくわくしてしまう。

11月の(個人的)目玉はチャイコの「1812年」でした。
あ、そうえいばこの曲、ちらっと記事に書いたことがあるよね…ってこれだった。→参照
1812年を生のゲルギエフで聴けるなら北海道へだって飛んじゃうよ!
プログラムは以下の通り。

チャイコフスキー 序曲「1812年」
ショスタコーヴィチ 交響曲第1番
チャイコフスキー 交響曲第5番

1812年と云えばやはり大砲……ですがコンサートホールで大砲ぶっ放そうはずもなく、代役楽器はというと今回は大太鼓でした(2階席でよく見えなかったんだけど、たぶん)。
そして生で聴くとやっぱ盛り上がる! 盛り上がってなんぼの曲ですからね、1812年(笑)。
終盤、頂点目指して駆け上がる、まさに怒涛の演奏が圧巻でした。カリヨンの乱れ打ちもすごかった。こちらの心臓まで乱れ打ち状態。

チャイコの5番もよかった。
今回一番の演奏だったんじゃないかな。改めてチャイコはいい作曲家だなあと、チャイコのすごさを実感しました。
でも昔はあんまり好きじゃなかったんですよね、なんか通俗的過ぎる気がして。
自分が背伸びしてたせいかなあ…?

そしてショスタコ、今も昔も変らずスルーのショスタコ、が意外なことに結構よかった! 生演奏のおかげだろうか。
なんか波間にたゆたっているような、えらい心地よい時間でした。

そんなわけで1812年は生で聴けたので、あとはサン=サーンスの交響曲第3番をなんとしても聴きたーい。
サン=サーンスの3番、俗に云う“オルガン・シンフォニー”ですが、その名の通りパイプオルガンが主役だもんで、なかなか演奏されないんですよねえ…。
オケに加え、オルガンとオルガン奏者の質も求められるし。
終盤の盛り上がりとド派手さでは1812年に引けを取らない、生で聴けたら鳥肌モノだと思う名曲です、サン=サーンスの3番。

サン=サーンス 交響曲第3番「オルガン付き」より第2楽章後半
http://www.youtube.com/watch?v=TCKiZRWyv20

THE LIMITS OF CONTROL

the limits of control


ジム・ジャームッシュの映画です。なつかしの(わたし的に)。
ジャームッシュといえば、やはり思い出されるのは『ストレンジャー・ザン・パラダイス』、いわゆる“オシャレ系”映画の走りでしょうか、扱いとしては。
“オシャレ系”なんて云うとマニアの方に鉄拳くらいそうですが、日本でのプロモーションはそんな感じだったような…?
ただ、サブカルが今ほどファッションの一部になってなくて、そもそも“オシャレ”なんて表現もなく、それゆえ濃い映画ファンにもきちんと受け入れられていたんですよね。
レッテル貼りってのはいつの時代でもあるだろうけど、現代は特にあまり建設的じゃないことが多い気がするなあ。

で、物語ですが、物語はあってなきがごとし!
一応、謎の男が謎の暗殺指令を受けてスペインへ発ち、どこからともなく現れる謎の仲間たちからまた指示を受け、スペイン各地を転々とし、最後に暗殺を実行してどこへともなく去ってゆく、という“物語”らしき流れはあるんだけど、エピソードの繋がりとか感情表現とかいったものが皆無に等しいので、まるで現実味がありません。

感情表現について云えば、そもそも登場人物に感情があるようには描かれていないしね。
なんか一種の記号っぽいんですよね、登場人物たち……名前も固有名詞じゃなくて、「孤独な男」とか「ヌード」とか「ギター」とか、まんま記号だし。
「ギター」とか「分子」とかが、主人公である「孤独な男」の前に次々と現れ、「スペイン語は話せるか?」を合言葉にギターや分子についての不思議話を長々語ってゆく。

このエピソードに加え、美術館を訪れるシーン、新しい土地を訪れるシーンなどが少しずつ趣を変え、変奏曲のように延々繰り返されるんですね。
ジャームッシュ自身、インタビューで「芸術作品における繰り返しの重要性」みたいなことを語ってるので、相当こだわりのあるところなのでしょう…。

しかし、この繰り返しがね、謎かけはあれど答はなし、人間関係の構築もなし(そもそも人間関係自体存在しないんですが)、従って次のエピソードへの繋がりもなし、で、やたら淡々と流れてゆくんですよ。
セリフも音楽も同様に淡々……だがしかし、このリズムがなんだかひどく心地いいんだなあ。
不眠症のあなたに捧げたい、素晴らしき催眠映画。
というのは半分冗談ですが、絶妙に計算された繰り返しって実に心地いいものだと思いました。

で、個人的にこの作品の見所は映像、というよりもスペインの風景だと思う。
不思議な造型と色合いをした建物、また建物……夢の中に出て来そうなそれらが、ふつうに街の中に存在してるんですよね。
そしてこの風景があるからこそ、不可解で不条理な物語が引き立っている、もしくは成り立っているとさえ云えるんじゃないかと思う。
後半の荒涼とした風景もいいんですよね。前半とのギャップがまた。
スペインって、場所によってこうも雰囲気が変るんだなあ…と、ヨーロッパ的洗練からはみ出たその幻想性、その奥深さがたまらんです。

ところで、映像いいなあと思ったら、カメラはクリストファー・ドイルだった。
ドイルといえばウォン・カーウァイ、カーウァイといえば『恋する惑星』と『ブエノスアイレス』ですね、ああなつかしい。
『ブエノスアイレス』、また観返したいなあ……レスリーの小悪魔っぷりはまさにジルベールそのものでした。
DVD買おうっと……。

睡魔と闘う日々

正月休み中の昼夜逆転生活が尾を引いてます……眠いわー、なんでこんなに眠いんだー。
それなのに、夜布団に入ってもなかなか眠れないのがな。ああ辛ひ。

こないだすんごく久しぶりに映画を観に行ったんですが、あろうことか上映中に一瞬寝てしまった…そんな自分にショック!
まあ観た人のうち半分くらいは確実に眠りに落ちそうな映画だったんですけどね。
ってつまんなかったわけじゃなく(むしろかなり好き)、いわゆるひとつの催眠性映画です。
眠りを誘うリズムってなんであんなに心地いいのかな。人の心音とかも。

肝心の映画(『リミッツ・オブ・コントロール』)の感想も書いときたいので、いずれまたそのうち……。

ところで、カミング・スーンな映画で観たいのをチェックしてみたら、
・『Dr.パルナサスの鏡』
・『シャーロック・ホームズ』
・『フィリップ、君を愛してる!』
になった。なんでしょう、この腐女子臭ダダ漏れのチョイスは。
てか、3番目はまんまゲイ映画ですがな。

『フィリップ〜』ってめっちゃ面白そうなんで絶対観たいっ! いや絶対観るっ!
んだけど、チケット買う時が恥ずかしそうなんだよなあ…って自意識過剰ですか? 『おっぱいバレー』よりはマシ?
とりあえずユアン・マクレガーがゲイ役とか、愉しみすぎるんですが。

+++

今日は待ちに待った給料日だったので、いろいろ衝動買いしてきました。
本屋にも寄った。買ったのは、『カメレオンのための音楽』と『ナイルに死す』と『ゼロ時間へ』。
『カメレオンのための音楽』、いつ文庫化されてたのおおお!!
知らなかった…って2002年発行かよ! 発見するの遅っ!
だがしかし、嬉しすぎる発見には違いない。
この中の「うつくしい子供」が好きなのです。マリリン・モンローについての、短く美しいエッセイ。